「本当はどうしたいの?」と聞かれて、言葉に詰まったことがあります。考えているはずなのに、答えが出てこない。その瞬間、自分でも驚きました。以前は、好き嫌いややりたいことを、もっと自然に感じ取れていたはずなのに、いつの間にか自分の本音が見えなくなっていたのです。
毎日はそれなりに回っていました。特別に大きな不満があるわけでもなく、問題が山積みという状況でもありません。ただ、選択の場面になると、なぜか決めきれない。選んだ後も納得感が薄く、「これで良かったのかな」という気持ちが残り続けていました。
【体験談】
当時の私は、何かを決めるとき、無意識に「周りからどう見えるか」「無難かどうか」を基準にしていました。自分がどう感じているかよりも、失敗しないか、後悔しないかを優先していたのです。
日常の小さな選択でも同じでした。やりたいことが浮かんでも、「今はやめておこう」「別にそこまでじゃない」と自分で打ち消していました。その積み重ねで、自分の感情を感じ取る力が鈍っていったように思います。気づけば、何をしても心が動きにくくなっていました。
【失敗談】
一番の失敗は、「考えすぎれば正解にたどり着ける」と思っていたことです。頭で整理し、リスクを減らすことばかりに意識が向き、感覚や気持ちを軽視していました。
また、本音が分からない状態をそのまま放置していたことも問題でした。「そのうち分かるだろう」と思いながら、違和感に向き合わずに過ごしていたのです。その結果、選択を他人任せにしたり、流れに身を任せることが増え、自分で決めている感覚がどんどん薄れていきました。
【改善したこと】
この状態を変えるために、まず「答えを出そうとしない」ことから始めました。
・好き嫌いをすぐ判断しない
・感じたことをそのまま書き出す
・理由づけを後回しにする
最初は戸惑いました。感情を書こうとしても、言葉が出てこない日もありました。それでも、「分からない」と書くこと自体を許しました。無理に前向きな答えを作らず、正直な状態を残すことを意識しました。
【結果】
続けていくうちに、少しずつ感覚が戻ってきました。小さなことでも、「これは心地いい」「これは疲れる」と感じられる場面が増えていったのです。
大きな決断が急にできるようになったわけではありません。それでも、自分の感情を無視しなくなったことで、選択後の納得感が変わりました。「自分で選んだ」と思える場面が増え、迷いの質も変わっていきました。
【まとめ】
本音が分からなくなっていた原因は、自分に無関心だったからではありませんでした。失敗を通して学んだのは、考えすぎることで、感じる力を弱めてしまうことがあるということです。
正解を探す前に、今どう感じているかに耳を傾ける。その習慣を持てたことで、少しずつ自分との距離が縮まっていきました。