「ちゃんとしていなきゃ」「気を抜いちゃいけない」。そんな言葉を、いつの間にか自分に言い聞かせ続けていました。周囲から見ると問題なく過ごしているようでも、内側では常に緊張していて、心が休まる瞬間がありませんでした。頑張っているはずなのに、喜びや達成感が薄く、毎日が同じ色に見えていた時期です。
最初は「今は踏ん張りどきだ」と思っていました。しかし、その状態が長く続くにつれて、楽しいはずの出来事にも反応できなくなっていきました。嬉しい、悔しい、達成した、そういった感情が平坦になり、「何をしても同じ」という感覚が残るようになったのです。
【体験談】
当時の私は、人前では常に気を張っていました。失敗しないように、弱みを見せないように、無意識に背筋を伸ばしていたと思います。少しでも気が緩むと、「だらしないと思われるのでは」と不安になり、すぐに自分を引き締めていました。
家に帰っても、その緊張は解けませんでした。一人の時間になっても、頭の中では次のこと、やるべきこと、気をつけるべきことが巡り続けていました。リラックスしているはずの時間でも、心はどこか戦闘態勢のままで、深く息を吐けていない感覚がありました。
【失敗談】
一番の失敗は、「気を張っている状態が普通」だと思い込んでいたことです。緊張している自分こそが正しい姿で、力を抜くことは甘えだと感じていました。そのため、疲れや違和感に気づいても、見ないふりをしていました。
その結果、感情が鈍くなっていきました。嬉しいことが起きても、心が動かない。逆に、嫌なことがあっても大きく落ち込まない。感情が安定しているようで、実際は感じる力そのものが弱まっていたのです。この状態に気づいたとき、少し怖くなりました。
【改善したこと】
この状態を変えるために、「力を抜く練習」を始めました。
・人前でも完璧を目指さない
・小さな失敗を許す
・何もしない時間を意識的に作る
最初はうまくいきませんでした。力を抜こうとすると、逆に不安が強くなり、「このままで大丈夫だろうか」と落ち着かなくなりました。それでも、短い時間だけでも緊張を手放すことを繰り返しました。深呼吸をする、肩の力を抜く、それだけでも十分だと自分に言い聞かせました。
【結果】
少しずつですが、感情が戻ってくる感覚がありました。何気ない出来事で笑えたり、逆に疲れを素直に感じられたりするようになりました。感情が動くこと自体が、生きている実感につながっていると気づきました。
また、常に気を張らなくても物事は進むと分かり、心の余裕が生まれました。以前よりも周囲に対して柔らかく接することができ、自分自身にも厳しすぎなくなりました。
【まとめ】
何も感じなくなっていた原因は、心が弱ったからではありませんでした。失敗を通して学んだのは、緊張し続けることは強さではなく、消耗だということです。
力を抜くことは、怠けることではありません。感じる力を取り戻すために必要な、大切な行動でした。